Progress of Digestive Endoscopy
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原著
腫瘍性病変との鑑別を要する直腸粘膜脱症候群についての検討
稲場 淳新村 健介村野 竜朗池松 弘朗
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2020 年 96 巻 1 号 p. 40-45

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抄録

【目的】直腸粘膜脱症候群(mucosal prolapse syndrome;MPS)は直腸粘膜の一部が逸脱を繰り返し粘膜表面に隆起性変化や潰瘍形成を来す良性疾患であるが,腫瘍性病変と診断されることがある.当院にてMPSと診断された症例をもとに腫瘍性病変との鑑別点について検討する.【方法】2016年1月から2018年12月までに当院にて大腸内視鏡検査が実施されMPSと診断された31症例を対象とした.対象症例の中で前医にて直腸腫瘍と診断され当院に紹介された症例を抽出し検討した.【結果】当院でMPSと診断された症例の局在は前壁21例,後壁1例,左壁3例,右壁6例であった.肉眼型は隆起型21例,平坦型5例,潰瘍型5例であった.生検は19例で実施され全て非腫瘍性病変の診断であった.前医にて直腸腫瘍と診断され当院紹介となった症例は7例であった.前医診断時の肉眼型は隆起型3例,潰瘍型4例であった.全例が直腸腫瘍を疑われ生検が実施されていた.病理組織学的診断はGroup 5が2例,Group 4が1例,Group 3が1例,Group 2が1例,Group 1が2例であった.【考察】MPSの臨床病理学的特徴を熟知し直腸腫瘍の診断においてはMPSを鑑別疾患として想起する必要がある.MPSを疑った場合には生検を行い臨床症状や内視鏡所見を病理医と共有し診断を進めていくことが重要であると考えられた.

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© 2020 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
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