2020 年 97 巻 1 号 p. 33-37
【背景】さまざまな工夫により大腸ESDはより低侵襲的な治療手技となりつつあるが,その一方で穿孔例も一定の割合で経験する.【目的】当院における大腸ESD穿孔症例の治療後の臨床経過を検討することを目的とした.【対象・方法】2005年4月より2019年12月までに当院において施行した大腸ESD 1780病変のうち,穿孔の認められた40病変,40症例につき後方視的に検討をおこなった.【結果】穿孔例40例のうち術中穿孔は29例(1.7%),遅発性穿孔は11例(0.6%)に認められた.術中穿孔例では29例中病変切除が完遂できたのは25例で,4例は中断し待機的に外科手術を施行した.保存的治療を行った25例のうち3例は腹部所見の悪化が認められ,緊急手術が施行された.遅発性穿孔11例においては術後1日目,2日目にそれぞれ5例,5日目に1例,画像上穿孔所見が認められた.緊急手術を要した症例は11例中5例と,術中穿孔と比較し高い割合で汎発性腹膜炎への移行が認められた.【結論】術中穿孔と比べ,遅発性穿孔は緊急手術を要する症例が多く認められた.遅発性穿孔の予防に関しては今後の課題である.