Progress of Digestive Endoscopy
Online ISSN : 2187-4999
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原著
出血性十二指腸潰瘍の予後不良例の検討
澤田 敦史平澤 欣吾尾関 雄一郎池田 良輔西尾 匡史福地 剛英小林 亮介佐藤 知子前田 愼
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2021 年 98 巻 1 号 p. 29-33

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抄録

【背景】出血性十二指腸潰瘍(hemorrhagic duodenal ulcer:HDU)に対する内視鏡的止血治療は有用であるが,ときに再出血を繰り返し治療に難渋する症例を経験する.【目的】難治性HDU症例の治療成績を検討し,最適な治療方針を考案する.【方法】2012年1月から2020年7月までに診断,治療されたHDU 65例を難渋群/成功群の2群に分け,再出血を繰り返す因子とGBS(Glasgow-Blatchford Score),AIMS65の有用性を検討した.【結果】難渋群は成功群と比し,病変因子に関して活動性出血が有意に高率であった(82% vs 38%,p<0.001).併存疾患に関しては,血液透析(55 vs 7%,p<0.001)や虚血性心疾患が多く(63 vs 18%,p=0.005),抗血栓薬の使用に関しても高率であった(55 vs 28%,p=0.03).GBSやAIMS65は難渋群/成功群で15.1/11.1(p<0.001),2.27/1.66(p=0.03)といずれも有意に高スコアであった.難渋群の2例のみ,過度な高周波凝固による遅発性穿孔を来たした.【考察】GBSやAIMS65が高スコアで難渋が予測された場合は,ポリグリコール酸シート被覆法やOver-The-Scope Clipを用いた止血法などの代替治療や外科的治療を早期から考慮すべきである.

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© 2021 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
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