消化器内視鏡の進歩:Progress of Digestive Endoscopy
Online ISSN : 2189-0021
Print ISSN : 0389-9403
症例
特発性食道粘膜下解離の1例
三吉 博葉梨 圭美花谷 勇治浅越 辰男蓮見 直彦関根 勝大塚 美幸長岡 信彦高見 博小平 進
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1993 年 43 巻 p. 127-129

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抄録

 食道粘膜剥離または食道粘膜下解離は,食道粘膜裂創と食道破裂の中間に位置するまれな疾患である。われわれは,原因不明で発生した特発性食道粘膜下解離の1例を経験したので報告する。症例は41歳男性で,突然の頸胸部痛と嚥下困難を主訴として発症し,食道透視,食道内視鏡,胸部CT検査にて食道粘膜下解離の診断を得た。治療は保存的に行い,約2ヵ月間の入院を要した。今回の検討より,従来1つの疾患単位とされ,用語的にも混同して用いられてきた食道粘膜剥離と食道粘膜下解離は,形態的に異なり,臨床的にも治癒期間の相違が存在することから,区別されるべきであると考えられた。

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© 1993 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
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