症例は40歳女性で,胃部不快感を主訴に当院を受診した。血液検査では鉄欠乏性貧血および蛋白漏出に伴う低蛋白血症が認められた。上部消化管造影および胃内視鏡検査では,体下部から前庭部にかけて山田Ⅱ-Ⅳ型を呈するポリープが多数認められた。数回にわけてポリペクトミーを施行した。組織所見では若年性ポリポーシスの所見であり,一部に腺管腺腫が認められた。胃に限局する若年性ポリポーシスの報告はまれである。本症例の妹には癌の併存する胃若年性ポリポーシスを認めている。今後,ポリープの新生および癌化に関して十分な内視鏡的経過観察が必要と考えられる。