1994 年 44 巻 p. 106-109
症例は62歳女性。嚥下時食道に違和感を覚え近医を受診。食道透視にて頚部-胸部上部食道に陰影欠損を認め,上部内視鏡にて上切歯列より18cmに長径約4cmの隆起性病変が認められたため,当科に紹介入院となった。諸検査の結果,食道の腫瘤は血管腫であった。また舌・頸部・外陰部・両足にも血管腫が認められ,本症例はblue rubber bleb nevus syndromeと診断された。食道の血管腫に対し,etanolamine oleateとcyanoacrylateを併用して内視鏡的硬化療法を行った。この方法により血管腫は消失し,良好な結果を得ることができた。Blue rubber bleb nevus syndromeについて本邦報告例66例を集計し,若干の文献的考察を加え報告した。