消化器内視鏡の進歩:Progress of Digestive Endoscopy
Online ISSN : 2189-0021
Print ISSN : 0389-9403
症例
ヘルペス食道炎の1例
日野 眞子塩見 精朗桜井 秀樹大坊 昌史藤井 佑二権田 厚文
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キーワード: ヘルペス食道炎
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1994 年 44 巻 p. 99-101

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抄録

 症例は31歳の女性。食後突然に心窩部痛,嘔吐が出現し,吐物に少量の血液の混入を認めたため,当科外来を受診した。内視鏡検査で食道全長に縦走する粘膜の発赤,下部には不整形のびらんを認めた。食道粘膜の細胞診で,多核およびスリガラス様核を有した細胞を多数認め,ヘルペス食道炎と診断した。HSV抗体価は8倍と高値を示した。ヘルペス食道炎は従来悪性腫瘍や免疫不全状態の患者の剖検時に認められることが多いとされてきた。しかし最近になり,健康成人の症例報告も散見されるようになり,本症例も基礎疾患のない症例であった。

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© 1994 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
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