1995 年 46 巻 p. 56-58
外来で安全に粘膜切除を行う方法として,透明EVLを用いる方法を考案して,あらかじめ病理学的診断の確定している7例のadenomaを切除した。用いたEVLはメヂコン社・住友ベークライト社製のものを用いた。病巣付近に生理食塩水を注入し,病巣部を中に吸引して納め,ゴム輪を滑脱させて病巣部をポリープ状とし,そのわずか末梢側を高周波スネアにて切除し,切除標本はフード内に収納して回収した。従来の不透明なものでは,胃内では小病巣は探せないことが多く,実用になりにくかったが,透明なEVLが考案生産されたために,本法は可能になったものと考える。さらに操作が簡単で,over tubeも挿入が容易で危険がなく,頻回の出し入れに大変便利であった。新たに考案されたpneumo-activate EVL deviceはトリップワイヤがないため,鉗子孔が自由に使えて本法に適していた。