消化器内視鏡の進歩:Progress of Digestive Endoscopy
Online ISSN : 2189-0021
Print ISSN : 0389-9403
症例
体外衝撃波結石破砕療法施行に際し,経鼻膵管ドレナージ併用が有用であった嚢胞合併膵石症の2例
小野田 一敏穀野 真一郎月岡 佳久春山 邦夫真田 淳水口 泰宏二木 修司三輪 一彦篠原 靖真神 易堀部 俊哉新戸 禎哲関 知之斎藤 利彦
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1998 年 51 巻 p. 128-132

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抄録

 体外衝撃波結石破砕療法(ESWL)に経鼻膵管ドレナージ(ENPD)を併用し,良好な治療効果が得られた嚢胞合併膵石症2例を経験した。症例1は54歳,男性。主訴は腹痛。膵頭体部にX線陰性結石を認めた。膵頭部に55mmの嚢胞を認めたためENPDを挿入し嚢胞のドレナージを図りつつ,造影下にフォーカシングしESWLを施行した。ESWL4,000発で結石は破砕され,嚢胞は著明縮小し,腹痛も消失した。症例2は65歳,男性。主訴は腹痛。膵管内にびまん性結石を認め,膵尾部に40mmの嚢胞を認めた。ESWL26,700発施行後,ERPで残石を認めたが,内視鏡的には採石不可であった。ENPDを留置し,造影下にフォーカシングしESWLを4,000発追加したところ,破砕片の流出を認め,症状,結石,嚢胞は消失した。ESWLにおけるENPDの併用は,嚢胞ドレナージ,破砕片のドレナージ,およびフォーカシングの点で有用であった。

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© 1998 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
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