ペドロジスト
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北海道南部および東部に分布する畑土壌の水抽出Al濃度と化学性・コロイド組成との関係
南條 正巳クルバン ニザミディン吉田 穂積山崎 慎一水野 直治
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2000 年 44 巻 2 号 p. 99-108

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抄録

北海道南部および東部に分布する主な畑土壌を,黒ボク土を中心に114地点から採取し,土壌の水抽出Al濃度とそれに関係すると見られる化学性および粘土鉱物組成を検討した。ジャガイモそうか病の抑制効果があると見られる水抽出Al濃度0.3mg L^<-1>以上の土壌は23地点で認められ,そのうち14地点は作土であった。土壌の水抽出Al濃度に比較的強い相関を示したのはpH(H_2O),pH(KCl)であったが,5<pH(H_2O)<6の試料の水抽出Al濃度は低いものから高いものまで様々であった。この領域の水抽出Al濃度に影響する要因として有機炭素含量とアロフェン・イモゴライト含量の比が重要と見られ,前者は腐植-Al複合体からAlを放出して水抽出Al濃度を高く維持する方向,後者はAlの収着によって水抽出Al濃度を低く維持する方向に作用していると見られた。

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© 2000 日本ペドロジー学会
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