ペドロジスト
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能登半島猿山岬付近に分布する細粒質土壌の母材へのアジア大陸北部に由来する風成塵の影響
藤田 哲史奥田 俊夫藤江 康太郎北川 靖夫齋藤 萬之助豊田 新成瀬 敏郎
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2007 年 51 巻 2 号 p. 97-103

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抄録

能登半島猿山岬の第三紀および第四紀岩上に発達した細粒質土壌の母材におけるアジア大陸北部由来風成塵の影響を調べるために,微細石英中の酸素空格子量から求められるESR信号強度と粘土鉱物組成を分析した。結果は次の通りである。猿山岬土壌におけるESR信号強度の10以上という高い値は、以下のことを示した。猿山岬土壌における母材へ先カンブリア紀岩由来の多量の風成塵が影響を及ぼし,これらの風成塵は,アジア大陸の内陸が非常に乾燥した最終氷期・MS2(2万4千年〜1万1千年前)に,冬季季節風によって運ばれたと考えられた。しかしながら,猿山岬土壌の母材へ現地性物質もまたわずかに影響を及ぼしていた。さらに,K-AhやATなど少量のテフラの影響もみられた。

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© 2007 日本ペドロジー学会
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