2008 年 50 巻 4 号 p. 250-254
本報では, 広汎型重度慢性歯周炎患者を超音波スケーラーによる根面のデブライドメントで治療した一症例について報告する。
患者は54才男性で数年前より歯肉の発赤・腫脹及び出血と口臭を自覚していた。
臨床所見は全体的に歯周ポケットが深く, プロービング時の出血と排膿および動揺を認めた。
又, 全顎的に重度の水平型骨吸収と部分的に垂直型骨吸収そして多量の歯石沈着を認めた。
歯周基本治療において, ルートプレーニングの代わりに超音波スケーラーを用いて根面をデブライドメントすることで, ポケットが浅くプロービング時の出血もなくなった。結果的に, 徹底的に歯周基本治療を行ったことで, 歯周外科を行わずに治療を終了することができた。
患者はSPTのため, 月1回来院している。
日本歯周病学会会誌(日歯周誌)50(4) : 250-254, 2008