2011 年 53 巻 2 号 p. 133-140
プラークコントロールは, 基本治療において最も重要な治療である。良好なプラークコントロールは, 歯周治療を成功裏に収めるために必要とされている。横田らの報告では, モチベートされた患者においてブラッシング後に上顎臼歯口蓋側, 下顎臼歯舌側, 上顎第二大臼歯頬側にプラークが残存していたことを明らかにした。そこで我々は, ドーム型の改良型歯ブラシを開発し, 改良型歯ブラシのプラーク除去の有効性を調査した。対象者は, インフォームドコンセントが得られ, 全顎的に歯周組織が健康である九州歯科大学附属歯科衛生学院2年生13名であった。歯磨きを実験開始前2日間中止した。コントロールとして, ストレートタイプの平型歯ブラシを用いた。実験開始前のプラーク付着率をO'Learyのプラークコントロールレコード(PCR)を用いて評価し, バス法によるブラッシングを10分間行った後, 再度プラーク付着率を求め, その差から除去率を求めた。改良型歯ブラシは, 平型歯ブラシではプラークが残存しやすい上顎大臼歯頬側, 上顎小臼歯口蓋側, 上顎大臼歯口蓋側, 下顎大臼歯頬側, 下顎前歯舌側, 下顎小臼歯舌側, 下顎大臼歯舌側, 上顎大臼歯隣接面, 下顎大臼歯隣接面において有意に除去率が高かった。改良型歯ブラシは, 完璧なPCRへの鍵になるかもしれない。
日本歯周病学会会誌(日歯周誌)53(2) : 133-140, 2011.