抄録
ある広汎型侵襲性歯周炎患者(女性)の 24 歳時からの 26 年間に及ぶ歯周治療経過を,臨床的観点と細菌学的・免疫学的な観点から追った。その間,患者には結婚,転居,出産,そして育児といったライフステージの変化があった。そこで,このライフステージによる生活習慣の変化が歯周病の病態に影響を与える可能性を考えて,動的治療期から Supportive Periodontal Therapy(SPT)期に渡って臨床症状が出現する前に病態変化を捉えようと,歯周病原細菌感染度を歯周病原細菌に対する血清 IgG 抗体価を用いてモニタした。この治療経過における患者の病態と SPT 期における継続的な受診支援に関して考察し,10 代後半から 20 代前半に発症する侵襲性歯周炎患者の長期管理法を提案する。この方法は,細菌の持続感染による疾患の活動性を把握するために用いた血清 IgG 抗体価検査による,口腔内の感染管理に注目するものである。 日本歯周病学会会誌(日歯周誌)56(2):217-226,2014