リン酸カルシウム基材は近年歯科や医科領域においてその生体安全性や利便性からバイオセラミックス材料として利用されてきている。リン酸カルシウムバイオセラミックスの中でも水酸化アパタイト(HA)とβリン酸三カルシウム(β‒TCP)およびこれらの混合物は種々の分野で骨補塡材として使われている。これらリン酸カルシウムバイオセラミックスを骨欠損部に埋入すると骨の形成を促進することが知られている。この性質は骨伝導として知られ,骨伝導性を附与したバイオセラミックスが骨組織工学の骨補塡材やスキャホールドとして使用されている。さらに,近年これら材料と成長因子やマトリックスタンパクとの複合体は歯槽骨再生を促進することが報告されている。