2019 年 61 巻 1 号 p. 37-46
降圧薬や抗けいれん薬,免疫抑制薬を服用している患者に,口腔内副作用として歯肉増殖症を生じることが知られている。今回,長期の降圧薬(Ca拮抗薬)の服用により,歯列不正や咬合崩壊を伴う重度の薬物性歯肉増殖症を発症した患者に対して包括的歯周治療を行い,著明な歯周組織の改善を得ることができた。降圧薬(Ca拮抗薬)の変更に関しては,他剤に変更すると血圧の上昇が認められたため変更はできず,原因因子を完全には除外できなかった。しかし,SPTにより口腔衛生管理を徹底することで歯肉増殖の再発は予防できており,現在も歯周状態は良好に保たれている。