日本歯周病学会会誌
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症例報告
2型糖尿病を有する広汎型重度慢性歯周炎患者に対し,包括的治療を行なった1症例
勝沼 隆之
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2019 年 61 巻 2 号 p. 95-105

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抄録

「歯周病」と「糖尿病」これら二つの疾患の関連性についてこれまで多くの研究が実施されており,糖尿病は長年にわたり歯周病の重大な危険因子として認識されている。患者は68歳女性,2012年11月に初診来院された。全身疾患として2型糖尿病を有しており直近の血液検査ではHbA1cが7.2%(NGSP,以後NGSPで統一する)であった。歯周組織検査の結果,広汎型重度慢性歯周炎と診断し治療計画立案後に歯周基本治療を開始した。スケーリングと歯根面のデブライドメントの実施,ならびに患者の適切なセルフケアが確立されたことで歯周炎の状態は大きく改善され,全身状態ではHbA1cにも改善が認められた。この結果は歯周治療を始めその後の歯科治療を進めるうえで有利に働いた。歯周治療終了後はインプラント治療を含めた口腔機能回復治療を行い,その後SPT(Supportive Periodontal Therapy)に移行し順調に経過している症例について報告する。

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© 2019 特定非営利活動法人 日本歯周病学会
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