2020 年 62 巻 3 号 p. 155-167
広汎型侵襲性歯周炎の患者に歯周基本治療,歯周外科治療,口腔機能回復治療およびサポーティブペリオドンタルセラピー(SPT)を行い,25年以上にわたり良好に口腔機能を維持している症例について報告する。本症例では,歯周基本治療において十分な臨床的改善が認められなかったが,その後の歯周外科治療後に臨床的指標が大きく改善して口腔機能回復治療,SPTに進むことができた。口腔機能を長期に維持安定させるためには,動的歯周治療後SPTに入ってからも口腔内の変化を注意深く観察し,SPT中に問題が生じた時は必要に応じて積極的な介入も必要になると思われる。SPT中に第三大臼歯2本を含めて4本の歯を失ったが,抜歯理由はいずれも歯周病の悪化ではなく,根面カリエスによるものであった。長期管理を行っていく上で,歯周病の管理とともに根面カリエスの管理の難しさが示唆された。