日本歯周病学会会誌
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原著
CPCのジンジパイン阻害作用と,その作用への唾液成分の及ぼす影響の研究
森川 拓磨有田 卓矢浦川 李花清水 康光
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2025 年 67 巻 2 号 p. 75-84

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抄録

Porphyromonas gingivalisが産生するジンジパインは歯周組織の破壊等に寄与する病原性因子である。塩化セチルピリジニウム(CPC)は,ジンジパインに対する阻害作用が報告されているが,CPCは唾液存在下では殺菌作用が低下することが知られているため,唾液中でCPCのジンジパイン阻害作用が発揮されるか不明である。本研究では,唾液存在下におけるCPCのジンジパイン阻害作用を検証し,その作用に影響を及ぼす因子を検討した。

PBSにCPCを溶解した場合,CPCのジンジパイン阻害作用は確認できたが,唾液を含めた場合ではその作用が認められなかった。そこで唾液中の成分に着目し,金属塩やタンパク質を混合してCPCのジンジパイン阻害作用を検討した。その結果,二価金属塩を混合した場合でのみCPCのジンジパイン阻害作用が低下した。さらに唾液を含めた条件下で,キレート剤を組み合わせてCPCのジンジパイン阻害作用を検討したところ,阻害作用は低下しなかった。以上のことから,唾液中の二価金属塩によりCPCのジンジパイン阻害作用は低下したと考えられた。

CPCに組み合わせたキレート剤は脱灰の起こらない低濃度であることから,これらの組み合わせはジンジパイン活性を阻害する口腔ケア製品の開発につながることが期待できる。

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