日本歯周病学会会誌
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原著
スケーリング・ルートプレーニングおよびEr:YAGレーザーを用いた歯肉縁下スケーリングによる生体ストレス反応:パイロット研究
保苅 崇大野中 由香莉濃野 要杉原 俊太郎新井 恭子鎗田 将史宮沢 春菜山本 裕子佐藤 友則高橋 直紀小松 康高小牧 基浩多部田 康一両⻆ 俊哉
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2025 年 67 巻 3 号 p. 111-121

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抄録

歯科治療は痛みや緊張,振動を伴うことが多く,それらは患者に精神・身体的負担をもたらし,ストレス反応を引き起こす。本研究の目的は,スケーリング・ルートプレーニング(SRP)やEr:YAGレーザーによる歯肉縁下スケーリングが生体ストレス反応に及ぼす影響を明らかにすることである。

歯周炎を有する32名の患者を無作為に2群(スケーラー群,レーザー群)に割り付けた。5 mm以上の歯周ポケットが存在する3歯に対し,局所麻酔後,手用スケーラーによるSRPもしくはEr:YAGレーザーによる歯肉縁下スケーリングを行った。バイタルサインは治療直前,局所麻酔直後,および治療直後に測定した。採血は治療前と治療直後に,歯周精密検査は治療前と治療12週後に実施した。

局所麻酔直後に両群の体温や血圧,脈拍数は有意に上昇し(p<0.05),酸素飽和度は有意に低下した(p<0.01)。治療直後もそれらは同程度であった。2群とも多くの歯周パラメーターが治療12週後に改善したが,臨床的アタッチメントレベルの最大値はレーザー群においてのみ有意に減少した。いずれの項目においても,群間比較に差はなかった。

局所麻酔はバイタルサインを著明に変動させることが示された。また,局所麻酔下におけるSRPやEr:YAGレーザーを用いた歯肉縁下スケーリングはストレス反応に影響を及ぼさず,2群間に差はないことが示唆された。

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