本研究では歯根膜特異的分子PLAP-1が破骨細胞形成に及ぼす影響についてリコンビナントPLAP-1を用いてin vitroで解析した。まず,マウス骨髄細胞を用い,M-CSF存在下での破骨細胞前駆細胞への分化に対するリコンビナントPLAP-1の影響を検討した結果,F4/80およびCD11b陽性細胞への分化やRANK(Tnfrsf11a)発現に有意な変化は認められなかった。一方,RANKL添加による破骨細胞分化過程では,PLAP-1は破骨細胞マーカー遺伝子(Ctsk,Acp5,Calcr,Oscar)の発現を濃度依存的に有意に抑制し,TRAP陽性多核細胞数も有意に減少させた。さらに,マウスマクロファージ細胞株であるRAW264.7細胞を用いた解析においても,RANKL刺激により誘導される破骨細胞マーカー遺伝子(Ctsk,Acp5,Calcr,Oscar)の発現は,リコンビナントPLAP-1添加により濃度依存的に有意に抑制された。以上の結果より,リコンビナントPLAP-1はM-CSF誘導性の破骨細胞前駆細胞への分化には影響を及ぼさないが,RANKL誘導性の破骨細胞分化を濃度依存的に抑制することが明らかとなり,歯周組織における骨吸収制御への関与が示唆された。
In this study, we analyzed the effects of the periodontal ligament-specific molecule PLAP-1 on osteoclast formation in vitro, using recombinant PLAP-1. First, using mouse bone marrow cells, we examined the effect of recombinant PLAP-1 on the differentiation of the cells into osteoclast precursors in the presence of M-CSF. No significant changes were observed in the differentiation into F4/80- and CD11b-positive cells or in the RANK (Tnfrsf11a) expression. On the other hand, during the osteoclast differentiation process induced by the addition of RANKL, PLAP-1 significantly suppressed the expression of osteoclast marker genes (Ctsk, Acp5, Calcr, Oscar) in a concentration-dependent manner and significantly reduced the number of TRAP-positive multinucleated cells. Similar results were obtained for RANKL-stimulated osteoclast marker gene expression in the mouse macrophage cell line RAW264.7. Thus, while recombinant PLAP-1 had no effect on M-CSF-induced differentiation into osteoclast precursor cells, it suppressed RANKL-induced osteoclast differentiation in a concentration-dependent manner, suggesting its involvement in controlling bone resorption in periodontal tissues.
歯周病は歯面に形成されたデンタルプラークが原因となり,歯槽骨の吸収を伴う歯周組織の破壊が生じる慢性炎症性疾患である1,2)。歯周病の発症や進行には,デンタルプラークに由来する細菌由来因子に加え,喫煙やストレスなどの環境因子,生体の感染防御機構に代表される宿主因子が深く関与している3)。
歯周組織の一つである歯根膜は歯を歯槽窩に保持し,線維性結合組織としての性質を維持しながら咬合力に起因するメカニカルストレスを緩衝する4)とともに,歯周組織の恒常性維持や歯周組織再生に関与する未分化間葉系幹細胞の供給源5)として重要な役割を果たしている。その一方で,咬合性外傷や矯正力,細菌由来因子の曝露により,歯根膜細胞は各種炎症性メディエーターを産生するとともに,Receptor Activator of Nuclear Factor-κB Ligand(以下,RANKLと略す)やOsteoprotegerin(以下,OPGと略す)などの破骨細胞分化調節因子の産生を介して歯槽骨の恒常性維持の制御にも積極的に関与することが示唆されている6)。
Periodontal ligament associated protein-1(以下,PLAP-1と略す)は,歯根膜特異的分子の探索を目的として作製されたヒト歯根膜cDNAライブラリーから同定された,分子量約40 kDaのプロテオグリカン様分子である7)。PLAP-1はN末端領域に4つ,C末端領域に2つのシステイン残基を含むコンセンサスモチーフを有し,中央部には10個のleucine-rich repeat(LRR)ドメインを持つという構造上の特徴から,Decorin,Biglycanと共にsmall leucine-rich repeat proteoglycan(以下,SLRPと略す)family class Iに分類される7)。PLAP-1の機能としては,Bone Morphogenetic Protein(以下,BMPと略す)-2と直接結合することでBMP受容体への結合を阻害する8,9)一方で,Fibroblast Growth Factor-2(以下,FGF-2と略す)と結合することで歯根膜におけるFGF-2の主な受容体であるFGF Receptor 1に対する親和性を上昇させ,その機能を促進する10)ことが明らかとなっている。これらの結果は,歯根膜がセメント質と歯槽骨という硬組織の間に介在し,硬組織形成細胞への分化能を有しながらも,軟組織としての機能を維持するためにPLAP-1が重要な役割を担っていることを示唆している。
PLAP-1が属するSLRP familyはI型からV型までに分類され,同familyに属する複数の分子が破骨細胞の分化過程を抑制することが報告されている11)。例えば,I型に分類されるDecorinはMacrophage Colony-Stimulating Factor(以下,M-CSFと略す)による骨髄由来マクロファージの増殖を抑制する12)。また,Biglycan(I型)とFibromodulin(II型)については,両分子がそれぞれRANKLに直接結合することに加え,両分子のリコンビナントタンパクがin vitroにおける破骨細胞形成を抑制することが報告されている13)。さらに,Proline and arginine rich end leucine rich repeat protein(II型)のN末端グリコサミノグリカン結合ドメインは,NF-κBの転写活性を抑制することにより破骨細胞形成を阻害することから,新たな骨粗鬆症の治療薬として期待されている14,15)。このように破骨細胞の形成に対するSLRPの関与が明らかになる一方で,前述のように同familyに属するPLAP-1が歯根膜細胞の硬組織形成細胞への分化に及ぼす影響が明らかになっているものの,同分子が破骨細胞の形成に果たす役割に関しては全く報告がない。
そこで本研究では,PLAP-1が歯周病の病態形成過程に果たす役割の一端を明らかにする目的で,リコンビナントPLAP-1がin vitroにおける破骨細胞形成に及ぼす影響について解析を行った。
マウス骨髄細胞は8週齢雄性野生型(WT)C57BL6Jマウス(日本SLC株式会社,静岡,日本)より大腿骨および脛骨を採取し,両骨端を切断し,60 μg/mlカナマイシン(和光純薬工業,大阪,日本)含有α-Modification of Eagle's Medium(和光純薬工業,大阪,日本,以下,α-MEMと略す)で骨髄腔内を洗浄し,骨髄細胞を回収した(大阪大学大学院歯学研究科動物実験委員会 受付番号:動歯-30-016-0)。4℃,250 Gで5分間遠心し,上清を取り除き,1×RBC Lysis Buffer(Thermo Fisher Scientific Inc.,Waltham,MA,USA)を加え懸濁した。再度,4℃,250 Gで5分間遠心をし,骨髄細胞を単離した。RAW264.7細胞はATCC(Manassas,VA,USA)より入手したものを用いた。破骨細胞への分化は,10%ウシ胎仔血清(Equitech-Bio, Inc.,Kerrville,TX,USA,以下,FBSと略す)と60 μg/mlカナマイシンを加えたα-MEMに懸濁した骨髄細胞を12穴細胞培養プレート(Corning,Corning,NY,USA)あるいは48穴細胞培養プレート(Corning,Corning,NY,USA)に播種し,100 ng/ml Recombinant Murine M-CSF(PeproTech,Rocky Hill,NJ,USA)存在下にて4日間培養を行い,マクロファージへと分化誘導した後,M-CSFと100 ng/mlまたは400 ng/ml Recombinant Murine sRANK Ligand(PEPROTECH,Rocky Hill,NJ,USA)存在下にて培養を継続することで誘導した。リコンビナントPLAP-1として,0.5,1,5,10または100 ng/mlのActive Asporin / PLAP-1(Cloud-Clone Corp.,Katy,TX,USA)を前述の分化誘導培地に添加した。なお,培養は5%CO2,37℃,湿度95%の条件下で行った。
2. 遺伝子発現解析培養細胞からの全RNA抽出には,核酸抽出試薬RNA-Bee™(TEL-TEST,Friendswood,TX,USA)を用いた。抽出・精製した全RNAを鋳型として,Random Hexamer Primer(Amersham Pharmacia Biotech,Milwaukee,WI,USA),SuperScriptIII(Thermo Fisher Scientific Inc.,Waltham,MA,USA)を用いて逆転写反応を行い,相補鎖DNAを作製した。Real-time PCR法による解析は,相補鎖DNAを鋳型として,表1に示す各遺伝子特異的なReal-time PCR用プライマー(タカラバイオ,滋賀,日本およびFASMAC,神奈川,日本)を用いて行った。PCR反応はFast SYBRⓇ Green PCR Master Mix(Applied Biosystems,Foster City,CA,USA)を用いて,StepOnePlus Real-time PCR SystemⓇ(Applied Biosystems,CA,USA)にて行った。なお,各遺伝子の発現量はハウスキーピング遺伝子の一つであるHypoxanthine phosphoribosyltransferaseを内在性コントロール遺伝子として用いて,同遺伝子の発現量に対する相対量を算出した。

Real-time PCR用プライマーの一覧
培養プレートより回収した細胞を5%FBS,0.02%アジ化ナトリウム(和光純薬工業,大阪,日本)含有PBS(以下,Facs bufferと略す)にて洗浄後,一次抗体としてPE標識ラット抗マウスF4/80抗体(BioLegend,San Diego,CA,USA)とFITC標識ラット抗マウスCD11b抗体(BioLegend,San Diego,CA,USA)を添加し,4℃にて30分間反応させた。Facs bufferにて洗浄後,BD FACS CaliburⓇ(Becton, Dickinson and Company,Franklin Lakes,NJ,USA)を用いて蛍光強度を測定した。
4. TRAP染色による破骨細胞形成評価マウス骨髄細胞を48穴細胞培養プレートで培養し,前述のとおりM-CSFおよびRANKL存在下で破骨細胞を形成させ,TRAP染色キット(コスモバイオ株式会社,東京,日本)を用いてTRAP染色を行った。すなわち,培養液を吸引除去後,PBSを用いて培養プレートを洗浄し,4%PFAで固定した。蒸留水(和光純薬工業,大阪,日本)にて洗浄後,発色基質を添加し37℃で30分加温し破骨細胞のTRAP活性を検出した。
5. 統計解析実験データは平均値±標準誤差で示した。有意差の検定は,分散分析(ANOVA)を行った後,事後検定としてTukeyの多重比較検定を用いて実施した。統計解析にはGraphPad Prism 10(Version 10.5.0, GraphPad Software, Boston, MA, USA)を使用し,p < 0.05を統計学的に有意とした。
PLAP-1が単球から破骨細胞前駆細胞であるマクロファージへの分化に及ぼす影響について検討するために,マウス骨髄細胞をM-CSFおよびリコンビナントPLAP-1存在下にて4日間培養を行い,マクロファージマーカーであるF4/80とCD11bの発現をフローサイトメトリー法にて解析した。その結果,PLAP-1はM-CSFによって誘導されるF4/80陽性CD11b陽性のマクロファージへの分化に影響を及ぼさなかった(図1A)。また,PLAP-1存在あるいは非存在下で培養したM-CSF誘導性のマクロファージにおけるRANK遺伝子(Tnfrsf11a)発現をReal-time PCR法にて検討した結果,PLAP-1はTnfrsf11aの発現に有意な影響を及ぼさなかった(図1B,C)。このことより,PLAP-1はM-CSF誘導性のマクロファージへの分化に影響しないことが示唆された。

マウス骨髄細胞からマクロファージへの分化にPLAP-1が及ぼす影響の検討
8週齢C57BL6J雄性マウスから採取した骨髄細胞をM-CSF(100 ng/ml)およびリコンビナントPLAP-1(10,100 ng/ml)存在下で4日間培養し,マクロファージへと分化誘導した。また,骨髄細胞をM-CSF(100 ng/ml)存在下で培養し,培養4日目からリコンビナントPLAP-1(10,100 ng/ml)を添加し,3日間培養を行った。
A.培養4日目のF4/80とCD11bの発現
B.培養4日目のTnfrsf11aの発現
C.培養4日目,7日目のTnfrsf11aの発現
Tnfrsf11aの発現量は,PLAP-1非存在下における値(B)または培養4日目の値(C)を1としたときの相対量として算出した。
**p<0.01,ns:not significant
PLAP-1がRANKL誘導性の破骨細胞への分化に及ぼす影響について検討するために,前述のように4日間M-CSF存在下にてマウス骨髄細胞からマクロファージを分化誘導した後,PLAP-1存在あるいは非存在下でRANKLを添加し,さらに3日間培養を行った。そして,破骨細胞マーカー遺伝子であるCtsk,Acp5,Calcr,Oscarの発現をReal-time PCR法にて検討した。その結果,いずれの遺伝子の発現もPLAP-1存在下で濃度依存的に有意に低下することが明らかとなった(図2A)。さらに同条件にて3日間培養を継続したのち,TRAP染色にて破骨細胞形成の評価を行った。その結果,核を3個以上有するTRAP陽性の多核細胞の数はPLAP-1存在下で濃度依存的に有意に減少することが明らかとなった(図2B,C)。
以上の結果から,PLAP-1がRANKL誘導性の破骨細胞への分化に影響を及ぼすことが明らかとなったため,マウスマクロファージ細胞株であるRAW264.7細胞を用いてさらに検討を加えた。その結果,マウス骨髄細胞と同様に,RANKLによって誘導されたCtsk,Acp5,Calcr,Oscarの発現は,PLAP-1の濃度依存的に有意に抑制された(図3)。このことから,RANKLにより誘導される破骨細胞への分化を,PLAP-1は抑制することが示された。

破骨細胞前駆細胞から破骨細胞への分化にPLAP-1が及ぼす影響の検討
8週齢C57BL6J雄性マウスから採取した骨髄細胞を,M-CSF(100 ng/ml)下で4日間培養し,破骨細胞前駆細胞を分化誘導した。その後,RANKL(A:400 ng/ml,B,C:100 ng/ml)存在下でPLAP-1(A:10,100 ng/ml,B,C:0,0.5,1,5,10,100 ng/ml)を添加し,培養を継続した。
A.RANKL存在下で,PLAP-1を添加し,3日間培養した際のCtsk,Acp5,Calcr,Oscarの発現を示す。発現量は,PLAP-1非存在下における値を1としたときの相対量として算出した。
B.RANKL存在下で,PLAP-1を添加し,6日間培養した際のTRAP染色像を示す。
C.Bの染色像にて,核を3個以上認めた破骨細胞数を示す。
*p<0.05,**p<0.01

RAW264.7細胞におけるRANKL誘導性の破骨細胞マーカー遺伝子発現にPLAP-1が及ぼす影響の検討
RAW264.7細胞をRANKL(100 ng/ml)存在下で,PLAP-1(10,100 ng/ml)を添加し,3日間培養した際のCtsk,Acp5,Calcr,Oscarの発現を示す。発現量は,PLAP-1非存在下における値を1としたときの相対量として算出した。
*p<0.05,**p<0.01,***p<0.001,****p<0.0001
PLAP-1は,健常な抜去歯の歯根膜を試料として用いて作製されたcDNAライブラリーから,歯根膜に特異的かつ恒常的に発現する細胞外基質タンパクとして同定された7)。その後の機能解析から歯根膜細胞の硬組織形成細胞への分化に対する抑制作用が見出され8),同分子が歯根膜の靭帯組織としての機能維持に重要な役割を担うことが明らかとなった16)。さらに,Toll-like receptor(以下,TLRと略す)のアンタゴニストとしての機能が見出される17)一方で,変形性関節症の病態形成18)や腫瘍の転移19)におけるPLAP-1/Asporinの機能が明らかとなり,同分子の病態生理学的な役割が注目されるようになった。本研究では,PLAP-1の歯周病の病態形成への関与に着目し,PLAP-1が破骨細胞の形成を抑制するという新規機能を見出した。
PLAP-1による破骨細胞形成の抑制メカニズムとしてまず,SLRP familyに属するBiglycan,Fibromodulinと同様にRANKLにPLAP-1が直接結合する可能性があると考えた。そこで,両分子間の相互作用の有無に関してBiacoreシステムを用いて予備実験を行った。その結果,PLAP-1とRANKLの相互作用の可能性は見出せたものの,その親和性は弱いものであることが示唆される結果であった(結果には示さず)。今後,PLAP-1とRANKLあるいはOPGとの相互作用についても検討を加えるとともに,PLAP-1がRANKL刺激によって誘導されるc-FosやNFATc1にいかなる影響を及ぼすかについて検討する予定であるが,PLAP-1がRANKLのRANKへの結合に関与しない場合には,別の機序についても検討する必要があると考えている。
Yasuiらは,RANKLによる破骨細胞形成過程に内因性のTransforming Growth Factor-β(以下,TGF-βと略す)によるSMAD3の活性化が必要であると報告している20)。PLAP-1はTGF-βシグナルを阻害することから,PLAP-1が破骨細胞形成過程におけるTGF-β-SMADシグナルを阻害したことにより,分化が抑制された可能性がある。この点に関しては,PLAP-1の破骨細胞抑制作用に対し外因性に添加したTGF-βがレスキューするか否かについて検討するとともに,常時活性型SMAD3導入RAW264.7細胞株におけるPLAP-1の抑制効果を検討することで解明できると考えられる。一方で,炎症歯周組織では,歯周病原性細菌由来因子によるTLR2あるいはTLR4の活性化が炎症性サイトカインの産生亢進を介して破骨細胞形成を促進することに加え,各TLRシグナルが破骨細胞形成を調節する役割を担っていることも明らかとなっている。
これらの報告から,PLAP-1が炎症局所において複数の破骨細胞形成活性化経路を抑制することにより歯槽骨吸収の制御因子として機能しているものと考えられ,歯周病局所における同分子の発現低下が歯周組織破壊に密接に関与しているものと推測している。
歯根膜には,未分化間葉系幹細胞や骨芽細胞が含まれ,歯槽骨の再生過程やリモデリングの際に歯槽骨の形成に重要な役割を果たす。また,in vitroの解析から,歯根膜細胞は生理的な状態においてOPGを産生する一方で,細菌感染やメカニカルストレスに応じてRANKLに代表される破骨細胞誘導因子を発現し,破骨細胞の形成を誘導することが知られている。すなわち歯根膜は,歯槽骨のリモデリングに対し,形成・吸収の両面を調整する役割を担っているといえる。本研究にて明らかとなったPLAP-1による破骨細胞形成の抑制は,常に咬合力などのメカニカルストレスに晒された歯根膜においてPLAP-1が恒常的に発現することにより歯根膜周囲で生理的な範囲を超えた破骨細胞形成が生じないよう恒常性を維持する役割を果たしていると考えられる。しかしながら,PLAP-1は炎症刺激により発現が低下することが報告されており21),歯周病や咬合性外傷などに伴い炎症反応が惹起されると,歯根膜におけるPLAP-1の発現は低下し,同分子による骨吸収抑制効果が抑制され,病的歯槽骨吸収の発症と進行に関与するのではないかと考えられる。また,歯周病の病巣局所においてPLAP-1の発現が低下していることが想定されることから,炎症抑制因子,破骨細胞抑制因子としてのPLAP-1を局所的に投与することができれば,新たな歯周病の治療薬として期待できるものと考えている。
PLAP-1はM-CSF誘導性の破骨細胞前駆細胞への分化には影響を及ぼさないが,RANKL誘導性の破骨細胞分化を濃度依存的に抑制することが明らかとなった。
本研究はJSPS科研費 JP24K02621の助成を受けて実施された。
今回の論文に関連して,開示すべき利益相反状態はありません。