日本歯周病学会会誌
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重症心身障害者の歯周疾患罹患状態について
鈴木 祐平米田 栄吉堀内 博鈴鈴木 理恵子
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1984 年 26 巻 1 号 p. 94-100

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抄録

心身障害者の中でも口腔管理が特に困難な状況にある重症心身障害者の歯周疾患罹患状態を調査した。調査対象は6歳から39歳までの67名でIQは30以下であり, 脳性麻痺, ダウン症候群, 先天性代謝異常などで入院中であった。抗てんかん薬の投与中の34名のうちジフェニル・ヒダントイン (DPH) を服用中の者は19名であった。調査項日はPl. I., C. I., P. D., B. I. および唾液中潜血量などであった。これらの患者のうちで20歳台の者は10歳台に比べ, Pl. I. を除く各検査値で有意に大きい値を示した。DPH服用者群は非服用者群に比べ, P. D. が有意に大きかった。介助者による口腔清掃を1日に1回受けていた者が多かったがその所要時間は短かった。食事内容は軟性食品が主であり, あまり咬まない者が多数を占めていた。今後は能率的にしかも簡便な方法でこれらの患者の口腔管理を確立する必要がある。

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