1984 年 26 巻 4 号 p. 696-700
Fibronectin は生体内および生体外において種々の物質と強い粘着性を示す。本物質が唾液中や獲得被膜中にも存在することから, 歯垢形成に多大に関与していることが推測される。この点をさらに詳細に検討することを目的として, 今回, ヒト全唾液, 耳下腺唾液, 顎下腺・舌下腺混合唾液中の fibronectin を Plasma fibronectin assay system と間接ELISA法の2法によって定量を試みた。
その結果, Plasma fibronectin assay system では定量ができなかったが, 間接ELISA法では, 全唾液で平均76ng/ml, 耳下腺唾液で41ng/ml, 顎下腺・舌下腺混合唾液で57ng/mlの値を得た。