1985 年 27 巻 3 号 p. 602-609
外来患者40名を対象として刷掃指導を行った。顎模型を用いた群 (コントロール群), 位相差顕微鏡によりプラークの観察を行った後, 顎模型を用いて指導した群 (位相差群), 術者が実際に患者の口腔内を清掃し, 指導する群 (術者群), 位相差顕微鏡によりプラークの観察を行った後, 術者が患者の口腔内を清掃し, 指導する群 (術者+位相差群) の4群に分け, 歯肉炎指数, プラーク指数を4週間にわたって追跡した。
その結果, 位相差顕微鏡の効果は, 実験初期においては認められるものの, 持続性に欠けていた。術者+位相差群では, すべての診査項目において著しい改善が認められた。以上のことから, 従来よりの顎模型を用いた刷掃指導に比べ, 術者による刷掃と位相差顕微鏡の併用が刷掃指導を行う際のモチベーションに有効であることが示唆された。