日本歯周病学会会誌
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ジフェニルヒダントイン性歯肉増殖症の生化学的研究
ラット歯肉コハク酸-1 , 4-14C代謝におけるDPHの影響
出口 眞二
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1986 年 28 巻 1 号 p. 1-16

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抄録

DPH性歯肉増殖症の発現機序を解明するために, 3・5・8週齢の雄, ウィスター系ラットを用い, 歯肉, 口蓋粘
膜, 皮膚, 肝 (湿性重量 : 250mg) を採取後, sliceとしshorttermincubationを行った。 添加基質としてSuccinate-
1, 4-14C (specific activity : 1.67μCi/ml) を用い, DPH (6.7μg/ml) 添加による各組織への影響をコハク酸由来の
TCAcycle系有機酸, アミノ酸および高分子の合成能について検索した。
その結果, DPH添加により, 特に歯肉ではSuccinate-1, 4-14C由来の主要有機酸であるfumarateの増加および
malateの減少を示し, 全アミノ酸生成量は減少, 高分子物質の生成は増加を認めた。これらのTCA cycle系中間代謝
物質へのDPH添加による影響は, 他の組織とは異なる動態を示すと共にラットの週齢によっても変動することが確認
された。

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