日本歯周病学会会誌
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Bacteroides gingivalisによる好中球のO-2産生におよぼすプロスタグランジンの影響
下島 孝裕真島 徹保母 清彦楠 公仁丸本 淑子池田 克巳
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1987 年 29 巻 2 号 p. 454-462

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抄録

B. gingivalis 381の菌体破粋上清によって引き起こされる好中球のsuperoxide (O-2) 産生におよぼすprostaglandin (PG) の影響について検討した。
B. gingivalis 381株の菌体破粋上清 (BG-sup) は, 好中球のO-2産生を著しく上昇させた。そしてこれによるO-2産生作用は, PGの添加によって抑制された。すなわち, PGE1, E2およびD2は0.2μg/ml濃度でO-2産生を有意に抑制した。ところが, PGI2は2μg/ml濃度においてもO-2産生を抑制しないことがわかった。
今回用いたPGアナログによる好中球細胞内cyclic-AMP (cAMP) は, 0.2μg/mlの濃度で有意に上昇した。そこでPGsのO-2産生抑制へのcAMPの関与を明確にすべくcAMPアナログであるdibutyryl-cAMPを用い, これによるO-2産生への影響を調べたところ, PGE1と同傾向の抑制を示した。
これらの結果から, BG-supによって刺激された好中球のO-2産生作用に対するPGsの抑制効果には, 細胞内cAMPの上昇が関与していると考えられた

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