日本歯周病学会会誌
Online ISSN : 1880-408X
Print ISSN : 0385-0110
ISSN-L : 0385-0110
歯周病患者に適したブラッシング法の検討
第1報舌側転位を有する歯列不正と各種ブラッシング法
岸 正之山川 雅子渡辺 いく子吉井 佐織夏目 美穂水野 克己野口 俊英
著者情報
ジャーナル フリー

1988 年 30 巻 1 号 p. 262-271

詳細
抄録

歯周病患者の有する様々な歯周組織の形態, 歯列異常に適したブラッシング法を検討する第一歩として, 歯列不正を有する模型で各種のブラッシング法によるプラーク除去効果を調べた。正常歯列および舌側転位のみられる下顎小臼歯部の天然歯列より印象採得し, 作製した模型に人工プラークを塗布し, 各ブラッシング法を行なって, プラーク残存率を比較した。その結果, プラーク除去効果は, 正常歯列では, スクラビング法, フォーンズ法, チャーターズ法, スティルマン改良法の順であった。一方, 舌側転位のみられる不正歯列では, スクラビング法とフォーンズ法が, 他の2方法より有意にプラーク除去効果が高かった。そのうち, スクラビング法は, 不正歯列では, 正常歯列に比べて有意にプラーク除去率は低下したが, フォーンズ法は, 歯列状態による有意差はなく, 正常歯列と同様なプラーク除去効果を示した。

著者関連情報
© 特定非営利活動法人日本歯周病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top