日本歯周病学会会誌
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ヒト多形核白血球の遊走能に及ぼす性ホルモンの影響
宮城 昌治青山 旬森下 真行岩本 義史
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1988 年 30 巻 4 号 p. 1033-1039

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抄録

思春期における歯肉炎は性ホルモンの不均衡により増悪すると考えられているが, その作用機序は明らかにされていない。そこで著者らは性ホルモンが, その作用の一部として多形核白血球 (PMN) の機能に影響を及ぼすことによって歯肉炎の病態に関与している可能性を考え, ヒト末梢血PMNの遊走能に対する性ホルモンの影響について検索した。
その結果, in vitroにおいてエストラジオールは生理的濃度範囲においてPMNの遊走能を有意に低下させたが, プロゲステロンは遊走能を有意に亢進した。血漿中の性ホルモン濃度とPMNの遊走能との関係を検討したところ, プロゲステロンの濃度が高いとPMNの遊走能も高いことが示された。
以上より, 性ホルモンはPMNの機能に影響を及ぼし, 特にエストラジオールはPMNの遊走能を低下させ, プロゲステロンは遊走能を亢進する可能性が示唆された。

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