日本歯周病学会会誌
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初期治療におけるポケットの減少とプラークコントロールとの関係について
松永 信瀬戸口 尚志中村 睦美横田 誠末田 武
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1989 年 31 巻 2 号 p. 717-723

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抄録

O'Learyのプラークコントロールレコード (PCR) を用いその変化が初期治療に及ぼす影響を調べる目的で, 30名の被検者 (男18名, 女12名, 平均年齢46.7H歳) を用いて本研究を行なった。初期治療により歯周ポケットの深さの平均は初診時3.19mmから再評価時2.11mmに減少した。そのうち初診時3mm以上であったものは, 4.09 mmから2.43mmに減少した。PCRが10%以下になるまでに要した平均のプラークコントロールの指導の回数は3.8回であり, これが4回以下のグループは5回以上のグループと比較してポケットの減少量が有意に大きかった。またPCRが10%以下になった時点から再評価時までの平均のPCRが10%以下であったグループは, 20%以上のグループと比較して, ポケットの減少量が有意に大きかった。しかし, 初診時のPCRおよびX線写真より得られた骨吸収度とポケットの減少量との間には関連は見られなかった。

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