日本歯周病学会会誌
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ラット脱灰歯周組織におけるコンドロイチン硫酸プロテオグリカンの免疫組織化学的検討
村橋 慶宣澁谷 俊昭西野 恒理堀 敏子白木 雅文岩山 幸雄
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1990 年 32 巻 1 号 p. 189-198

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抄録
ラット脱灰歯周組織中のコンドロイチン硫酸異性 体 (コンドロイチン4硫酸, 6硫酸, デルマタン硫酸) の局在性を明らかにするためモノクローナル抗 体 (2-B-6, 3-B-3) を用い免疫組織化学的に検索した。また今回の実験方法に適した脱灰法, 固定法についても検討をした。その結果, 固定法, 脱灰法については1%パラホルムァルデヒド2%グルタールァルデヒドで固定し, 5%EDTAで脱灰する組み合わせが至適であることが判明した。組織中の局在性は, 歯肉及び歯根膜にコンドロイチン4硫酸とデルマタン硫酸が組織中に広く認められ, コンドロイチン6硫酸は血管周囲に限局していた。特にデルマタン硫酸は組織中のコラーゲン線維に沿って強い染色性を示した。歯槽骨においてはコンドロイチン4硫酸とデルマタン硫酸がハーバース管, フオルクマン管, 骨小腔の内部に認められた。コンドロイチン6硫酸は骨中の血管の存在する周囲に認められた。セメント質ではコンドロイチン4硫酸及びデルマタン硫酸が, 有細胞セメント質のヤメント小窩やシャーピー線維の埋入している部位に認められた。
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