抄録
加齢が歯周疾患関連細菌に対する血清IgG抗体価に与える影響を調べる目的で, 20歳代11名, 40歳代10名, 50歳代6名, 60歳代6名の健常者の7種の歯周疾患関連細菌に対する血清IgG抗体価をELISA法により測定した。その結果, B. gingivalis, B. loescheii, E. corndens, F. nucleatumに対する抗体価は, 各年代問でほとんど差が認められなかった。しかし, A. actinomycetemcomitans, C. ochracea, B. interm ediusの抗体価は, 20歳代に比べ, 他の年代が低い傾向を示した。歯周疾患患者に認められる歯周疾患関連細菌に対する特異的な抗体価の上昇は, 加齢の影響はほとんど受けず, 歯周疾患の病態を反映していることが裏づけられた。