1992 年 34 巻 1 号 p. 213-219
0.02%ポビドンヨード水溶液を併用した超音波スケーリングの1回操作と2回操作の場合の効果について, 臨床的および微生物学的に比較検討を行い, つぎのような結論を得た。すなわち, PI値を除いた臨床的パラメーターでは, 1回超音波スケーリング群に比較して, 2回スケーリング群の方が, 各観察時期ともに改善傾向が強かった。また, 位相差顕微鏡による歯周ポケット内総微生物数および総微生物に占める運動性微生物の構成率は, 2回超音波スケーリング群の方が1回スケーリング群よりも, 各観察期間ともに低い値を示した。さらに, 臨床所見と微生物学的検索を重ね合わせた総合効果でも, 1回超音波スケーリングと2回スケーリングとの間には有意の差が認められた。