1992 年 34 巻 1 号 p. 220-231
歯周治療におけるTBC-コラーゲン複合骨移植材: KF-300 (TBC-コラーゲン合材) の臨床応用について検討した。歯周疾患によって生じた歯槽骨欠損部68名, 80部位に対してTBC-コラーゲン複合骨移植材を応用し, 経時的にX線写真および臨床的な評価を行った。術前と比較して術後6ヵ月で, X線写真による骨欠損最深部までの距離は3.6mmの改善が認められた。また, プロービング・デブスおよびアタッチメントレベルは, それぞれ3.2 mm, 2.1mmの改善が認められた。動揺度, プロービング時の出血は, 術後有意の改善が認められた。骨移植材の漏出および創〓開は, 術後2週まで認められたが臨床的には問題とならないと思われた。TBC-コラーゲン合材によると考えられる副作用は1症例も認められなかつた。以上の結果より, TBC-コラーゲン複合骨移植材は, 生体親和性に優れ, 歯周治療における有用な骨移植材であると考えられた。