日本歯周病学会会誌
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ヒト歯槽骨由来細胞の細胞特性第3報石灰化物形成過程とホスファターゼ活性の経日的変動について
鈴木 邦治秋山 浩教加藤 孝小菅 一弘藤川 謙次村井 正大鈴木 直人前野 正夫大塚 吉兵衛鈴木 貫太郎
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1992 年 34 巻 3 号 p. 665-672

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抄録

ヒトの歯槽骨片を細菌性コラゲナーゼ処理した後に, 骨片から増殖してくる細胞群 (E-AB) のin vitroでの石灰化物形成, ならびにアルカリホスファターゼおよび酸性ホスファターゼ活性を, 42日間にわたって経日的に調べた。細胞は, 培養3日目から対数増殖期に入り, 10日目から14日目には定常期に達する傾向を示したが, 14日目以降も42日目まで次第に細胞数は増加した。noduleの形成は, 培養14日目頃に始まり, 28日目にはアリザリン赤にわずかに染色されることが肉眼でも観察され, 石灰化の開始時期であることを示した。培養42日目には, 形成されたすべてのnoduleがアリザリン赤に濃染し, 石灰化したことを示した。細胞のアルカリホスファターゼ活性はnoduleの形成が開始する培養14日目に最も高くなり, 石灰化開始期と思われる28日目にはその50%まで低下していた。酸性ホスファターゼ活性値は, アルカリホスファターゼ活性値に比べて約1/10程度の低い値であり, 培養日数の増加とともに若干の減少傾向を示した。

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