日本歯周病学会会誌
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歯周病罹患歯露出根面の透過電子顕微鏡的検索
未処理, ルートプレーニング, クエン酸処理後の形態学的変化
竹本 史東 富恵川西 文子谷川 昌生白石 武岡本 莫
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1992 年 34 巻 3 号 p. 681-688

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抄録

歯周病罹患歯露出根面の形態学的変化を観察し, 有効な根面処理法を検討するために, 歯周病罹患抜去歯10本を歯軸に平行に3分割し, それぞれに未処理, ルートプレーニング (RP) およびRP後にクエン酸CA) 処理のいずれか一つを施した。各処理後, 透過型電子顕微鏡を用いて歯根片の超微形態を観察した。そ の (結果, 露出セメント質内のコラーゲン線維にはほとんど変化が認められないが, 認められるものでも表層下数μm以内であった。RP後にセメント質の残存している例数は約1/3であり, CA処理後では, 象牙質が裸出している場合は, セメント質の場合と比べて裸出線維密度は比較的疎であり, セメント質が残存している場合には, 表面の線維束がシャーピー線維かセメント基質線維かにより, 根表面に対する裸出線維の方向が異なっていた。以上の結果から未処理歯根のコラーゲン線維の変化は概して少なく, クエン酸処理後にはほぼ未変化のコラーゲン線維が裸出することがわかった。

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