抄録
Ciclosporin (Cs) は臓器移植の際の免疫抑制剤であるが, 副作用として歯肉増殖が挙けられ, Cs服用による歯肉増殖は, 臨床的, 病理組織学的に多数の報告がなされている。
そこで, より優れたFK506 (FK) が開発され, 最近頻用され始めているが, その副作用については, 不明の点が多い。
そのため, FKが歯肉増殖を引き起こす可能性について, 培養歯肉線維芽細胞にそれぞれの免疫抑制剤を単独作用ならびに炎症の関与を考慮してインター「ロイキン1 (IL-1) をさらに作用させ, [14C] プロリン取り込み量, コラーゲン合成量, コラゲナーゼならびにコラゲナーゼインヒビター活性について, すでに歯肉増殖を引き起こすことが知られているCsと比較検討した℃
その結果, FKにより, [14C] プロリン取り込み量, コラーゲン合成量, ならびにコラゲナーゼインヒビター活性値が濃度依存的に増加した。さらに, ILIを作用することで, [14C] プロリン取り込み量ならびにコラーゲン合成量はFK単独作用より増加し, その作用はCsに比べFK値の方が強かった。
以上のことから, FKもCsと同様に歯肉増殖を引き起こす可能性があり, IL-1の関与で発症確立はさらに増強することが示唆された。