日本歯周病学会会誌
Online ISSN : 1880-408X
Print ISSN : 0385-0110
ISSN-L : 0385-0110
口腔内細菌に対する生薬, 板藍根と大青葉の抗菌効果
ケム チャンティー渡辺 和志深澤 宗主辰巳 順一菊地 寛高落合 邦康宮田 隆
著者情報
ジャーナル フリー

2001 年 43 巻 2 号 p. 166-172

詳細
抄録

感染症の治療薬として, 抗生物質が絶大な効果をもたらした事は周知のことであるが, 近年, MRSAに代表される耐性菌の出現が大きな社会問題となっている。その代替として, 天然成分の持つ抗菌作用が注目されてきている。板藍根および大青葉は古くから中医薬の分野では清熱 (消炎) 剤として広く用いられている生薬であり, また, 近年これらの持つ抗ウィルス作用が注目され, インフルエンザなどの治療薬として用いられている。そのような背景を踏まえ, 著者らは成人性歯周炎に対する生薬の効果に関する報告をしてきた。今回は, 強い清熱効果を持つ板藍根および大青葉の歯周病原性細菌に対する抗菌効果について検討を行った。その結果, 生薬板藍根および大青葉は, 代表的な歯周病原性細菌およびう蝕関連性細菌に対しin vitroにおいて強い抗菌作用を示した。さらに板藍根による洗口は口腔内細菌の発育を抑制することが明らかとなった。

著者関連情報
© 特定非営利活動法人日本歯周病学会
前の記事
feedback
Top