2008 年 16 巻 3 号 p. 406-415
本研究の目的は,日常言語におけるBig-Fiveについて検討することであった。女子大学生(125名)から自由記述により性格記述を収集し,Big-Fiveへの分類(研究1)を行い,語彙の評価性・叙述性について検討(研究2)した。その結果,96.5%の記述がBig-Fiveのいずれかの次元に分類されたが,遊戯性に関する記述はほとんど得られなかった。また,本研究で得られた語彙は極端に評価性の高い語彙は少なく,叙述性がやや高い語彙であった。Big-Fiveの各次元において出現頻度の高い要素特性が存在しており,これらの次元が日常言語において有用性の高い特性概念であることが示唆された。