パーソナリティ研究
Online ISSN : 1349-6174
Print ISSN : 1348-8406
ISSN-L : 1348-8406
展望
内面の被知覚の意識に関する研究の展望
――概念の整理を中心に
太幡 直也
著者情報
ジャーナル フリー

2010 年 18 巻 3 号 p. 210-219

詳細
抄録

近年では,内面の被知覚の意識が注目され,内面の被知覚の意識に関する三つの概念が提唱されている。しかし,これまでのところ,三つの概念の相違点や位置づけは示されていなかった。そこで,本論文では,内面の被知覚の意識に関する三つの概念を整理することを目的とした。最初に,内面の被知覚の意識が生じる前提条件を論じた。続いて,内面の被知覚の意識に関連する,透明性の錯覚(Gilovich, Savitsky, & Medvec, 1998),自我漏洩感(丹野・坂本,2001),被透視感(太幡,2006a)について説明した。そして,三つの概念を比較し,位置づけを整理することにより,それぞれの概念の特徴を示した。最後に,諸概念の関係を検討するための視点を論じた。

著者関連情報
© 2010 日本パーソナリティ心理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top