パーソナリティ研究
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原著
完全主義と選択的注意の関連の検討
――ドット・プローブ課題を用いて
坪田 祐基石井 秀宗
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2017 年 26 巻 1 号 p. 49-60

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抄録

本研究では,完全主義と選択的注意の関連について,ドット・プローブ課題を用いて検討した。64名の大学生 (女性39名,男性25名)が,ドット・プローブ課題に取り組み,多次元完全主義尺度 (MPS)の自己志向的完全主義因子に関する項目と多次元完全主義認知尺度 (MPCI)について回答した。ドット・プローブ課題では,成功関連語,失敗関連語,中性語の3種類の刺激語が用いられた。成功関連語・失敗関連語に対する選択的注意の指標と,完全主義の尺度得点との相関係数を算出した。また,同様に男女別にも相関係数を算出した。その結果,男性では完全主義と選択的注意の間に中程度の相関が見られたが,女性では見られなかった。この結果からは,男性の完全主義者において成功や失敗に対して選択的注意を行うことが示唆された。

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© 2017 日本パーソナリティ心理学会
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