パーソナリティ研究
Online ISSN : 1349-6174
Print ISSN : 1348-8406
ISSN-L : 1348-8406
原著
中高生の解離傾向が孤立傾向に及ぼす影響性の検討
森 彩乃
著者情報
キーワード: 中高生, 解離傾向, 孤立傾向
ジャーナル フリー

2018 年 26 巻 3 号 p. 273-282

詳細
抄録

本研究では,解離傾向が学校での孤立傾向にどのような影響を及ぼしているのかについて,2回のパネル調査による検討を行った。対象は中学1年生~高校1年生407名(男子210名,女子197名)とし,Time 1を9月,Time 2を翌年度の2月に実施した。解離傾向(The Adolescent Dissociative Experiences Scale) については,Time 1で全体の10.1%,Time 2で全体の8.1%にカットオフ以上(病的解離が疑われるレベル)の高い解離得点が認められた。学年と性別および共感性を統制し,解離傾向と孤立傾向(学校での不適応傾向尺度)の交差遅延効果モデルによる分析を行ったところ,Time 1の解離傾向はTime 2の孤立傾向の高さを予測することが明らかになった。

著者関連情報
© 2018 日本パーソナリティ心理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top