パーソナリティ研究
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原著
マインドフルな気づきと注意が認知的フュージョンを媒介してPTSD症状に及ぼす影響――広義のトラウマを体験した大学生を対象として
渡邊 明寿香大澤 香織伊藤 大輔
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2020 年 29 巻 2 号 p. 61-70

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抄録

本研究の目的は,マインドフルな気づきと注意が認知的フュージョンを媒介してPTSD症状に影響を及ぼすというモデルを検証することであった。大学生884名を対象に,外傷体験調査票,マインドフルな気づきと注意,認知的フュージョン,PTSD症状に関する測定尺度を実施した。広義のトラウマ体験者254名のデータを用いて,共分散構造分析を実施した結果,採択可能なモデル適合度が得られた。つまり,海外の先行研究と同様に,マインドフルな気づきと注意が認知的フュージョンに負の影響を及ぼし,認知的フュージョンがPTSD症状に正の影響を及ぼすプロセスが示された。このことから,マインドフルな気づきと注意が高まるだけでなく,脱フュージョンが生じることが,PTSD症状の改善に有効である可能性が示された。今後は,マインドフルネスの様々な構成要素を包括的に検討していくとともに,それらをターゲットとした介入法の有効性を検討していくことが望まれる。

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© 2020 日本パーソナリティ心理学会
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