2025 年 34 巻 2 号 p. 204-215
本研究では,ポジティブ感情とネガティブ感情の不安定性を状態として捉え,感情の不安定性が援助要請に及ぼす影響を検討した。大学生・大学院生403名を対象に,精神的健康度を測定するスクリーニング調査を実施した。その後,52名が本調査として経験サンプリング法を用いた感情の不安定性を測定する調査に回答した。精神的健康度,感情の不安定性,性別,ストレスイベント数,悩みの深刻度,専門機関の利用経験を説明変数,被援助志向性を目的変数とした階層的重回帰分析の結果,ネガティブ感情の不安定性は負の関連を,悩みの深刻度は正の関連を持つことが示された。また,援助要請行動を目的変数としたロジスティック回帰分析の結果,専門的な機関の利用経験は負の関連を,ポジティブ感情の不安定性及び悩みの深刻度は正の関連を持つことが示された。ネガティブ感情が不安定な人の援助要請を促進する支援が必要である。