物理教育
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交流法による等電体線の測定
青木 秀夫
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1976 年 24 巻 1 号 p. 17-21

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抄録
帯電体の回りの等電位曲線を描くのに従来から行なわれている直流法に代わり交流法を採用した結果の報告である.初めに交流法によって等電位曲線が求まる原理的理由とリニヤIC,OPアンプを利用した高増幅率の測定装置について述べ,次に導体球の回り・平行板コンデンサの回り・円筒の回り・LC回路の回りなどいくつかの例についての等電位曲線を求め,その物理的な解釈を試みた.媒質を空気から流動パラフィンに置き代えることにより比誘電率ε/ε_0が定量的に測定できることを示すと共に本測定法の等電位曲線測定に関する原理的な限界の考察を行っている.導体の回りの等電位曲線や電気力線が直流法に比し簡便に求まるのがこの方法の利点である.また,LC回路の例では回路の回りの空間に生じている電界の変化が測定できるので,3次元空間での電場の理解をより促進させ,その後に展開する電束電流,電磁波への結びつきに役立つという教育的意義がある.
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© 1976 日本物理教育学会
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