物理教育
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熱電流による電磁石の実験
植松 健一中村 堅一杉浦 一義
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1979 年 27 巻 2 号 p. 103-106

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抄録
熱電対の端子にコイル導体をつなぎ,コイルの中に鉄心を挿入すると,熱電流により電磁石ができる.鉄心はコイル中のI字型部分とコイル外のコの字型部分とで構成し,熱電対としては銅とニッケルのそれぞれ太い導体を,またコイルも銅の太い導体を用いた装置を試作し,鉄心間の接触面の磁力による吸引力の大きさを,熱電対の温,冷接点間の温度差に対し測定した.温度差170°のとき約17kgwの磁力をえることができたが,この装置は,熱電流現象を電磁石のもたらす大きい吸引力という直感で知ることができ,デモンストレーション用に適当である.大きい力をえるための材料の選び方,最適巻数の定め方についても述べてある.この装置にともなう物理の諸法則や課題(応用面もふくめる)を考えさせることは,教育効果がある.
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© 1979 日本物理教育学会
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