物理教育
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気体の比熱比γの測定に関する試み : クレマン・デゾルムの実験改良
増田 健二
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1987 年 35 巻 2 号 p. 84-87

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抄録

熱力学の基礎的な概念の理解という点で,気体の比熱比の測定は重要である.現在,静岡大学教養部の物理学生実験では,クレマン-デゾルム(Clement-Desormes)の方法によって圧力の測定から比熱比を求める実験を行なっている.しかしながら,熱力学の基礎実験の観点からみて,圧力とともに,気体の温度の測定をすることは重要である.ここでは,熱電対(銅-コンスタンタン・直径0.025mm)を使用して,断熱膨張における迅速な温度変化に応答しうる温度計を製作した.このことにより圧力・温度変化が定量的に測定でき,断熱性,ポアッソン(Poisson)の法則,TR^<(1-γ)/γ>=一定が直接確かめられ,これを用いて比熱比γを求めた.また,断熱過程,定積過程の測定データにもとついて,比熱比の実験における圧力と温度の状態図を描いた.今回のクレマンーデゾルムの実験の改良は,断熱・定積条件下での変化の過程を定量的に測定できる装置にしたことにより,熱力学における基礎的な概念を理解させる学生実験として,有効なものとなった.

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© 1987 日本物理教育学会
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