物理教育
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生徒の目前でバリウム光電管を製作する光電効果の実験
渡辺 文夫
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1988 年 36 巻 3 号 p. 199-203

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抄録

真空管用Baフラッシュゲッターを化学実験用共通摺合わせフラスコ真空容器壁に蒸着させ,蒸着面を光電陰極に用いる教育実験用Ba真空光電管を開発した.真空排気は,フラスコに入れたモレキュラーシープを液体窒素で冷却する簡易ソープションだけで行う.赤,緑,青の3色のセロハン紙と写真用レフランプの組み合わせただけでBa光電管の光電限界波長(可視光線の緑色)を発見させ,また,プランク定数のおよその値を算出させることができる,実験終了後は,フラスコ内に空気を導入することによって,Ba鏡面消失の劇的酸化現象を観察できる.更に,酸化物を洗い出し,これに硫酸イオンを加えると白色沈殿ができることから,Ba金属を同定することができる.

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© 1988 日本物理教育学会
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