物理教育
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III. 原子論的自然観(<連載>自然観)
菅野 礼司
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1997 年 45 巻 1 号 p. 44-47

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抄録

物質に関する究極要素として「質」と「量」(大きさ)が古代から考えられてきた。質の究極要素としての表象は「元素」,量の最小単位は「原子」である。元素・原子概念の性格やモデルは地域・時代により異なるが,それは自然科学の発展過程で常に重要な役割を演じてきた。特に,原子論的自然観は近代科学の成立から現代科学への移行過程で,科学の指導的な概念であった。本稿では,原子・元素概念とモデルの変遷,およびそれらの概念が物理・化学の性格と理論にどのように反映されたかを概観する。それにより,自然観がいかに発展の方向を規定し,その性格づけに寄与したかを論ずる。

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© 1997 日本物理教育学会
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