1999 年 47 巻 3 号 p. 109-124
「感性」は物理教育界において長く重要視されてこなかったが,近年,学習意欲や創造性の源泉として教育学の分野では見直されつつある。そういう中で筆者も以前から生徒の「メタ認知」的発達に着目し,感性を高めることを目的とした年間授業プログラムを開発してきた。そこでは,実験や体験を重視し,生徒に人間社会や自然との身近さを実感させる授業展開を試みた。その結果,生徒の感性を高めることが可能になり,物理教育の今日的重要課題である物理嫌いも改善され履修者も増加することがわかった。