物理教育
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慣性実験における逆転現象
岡本 淳平
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2004 年 52 巻 2 号 p. 156-160

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抄録

この科学研究は本校生徒の米谷哲明,檀浦匡隆,武田悠佑,大濱康弘によるもので,そのテーマは,物体の上下に糸をつけ,上の糸でつり下げて,下の糸を引く実験についてである。本報告ではこれを「慣性実験」と呼んでいる。この実験に関する生徒の科学研究指導を通して興味深い結論を得たので報告する。慣性実験では下の糸をゆっくり引くと上の糸が切れ,速く引くと下の糸が切れる。ところが,速く引くと上の糸が切れ,ゆっくり引くと下の糸が切れるという「逆転現象」も起こり,その原因は糸を引く速さに応じて切れる糸が交互に変化することであるとわかった。なお,本研究は第47回日本学生科学賞において文部科学大臣賞を受賞した。

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© 2004 日本物理教育学会
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